Nature ハイライト

創薬:多剤耐性菌に二重の打撃を与える

Nature 589, 7843

必須酵素IspHは、細菌とアピコンプレックス門寄生虫におけるイソプレノイド生合成の最終段階を触媒しており、新しい抗微生物薬開発の標的候補であるが、IspHを標的とする化合物は細菌細胞内へあまり透過しないため、これまでの取り組みは制限されてきた。F Dotiwalaたちは今回、IspHを直接標的としながら、同時に細胞傷害性γδT細胞の局所的な増殖を刺激して病原体の排除を高める、新しいクラスの化合物を開発したことを報告している。このリード化合物はナノモル濃度で活性を示し、in vivoにおいてさまざまな多剤耐性菌に対して、既存の抗生物質よりも有効であった。この新しいクラスの化合物が持つ二重の作用機構は、耐性に対する選択の低下にも関連していると考えられ、これについては今後の研究で厳密に検討されるだろう。

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