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地球科学:赤道付近の大西洋中央海嶺の下にある薄いマントル遷移層

Nature 589, 7843 doi: 10.1038/s41586-020-03139-x

上部マントルと下部マントルの間の物質輸送が起こる場所とその程度は、地球の熱的進化と化学的進化に重要である。沈み込むスラブと上昇するプリュームは、輸送が起こる場所であると一般に考えられているのに対し、大洋中央海嶺は役割を果たすと見なされないことが多い。しかし、海嶺におけるin situ測定によって厳しい制約を課すのは、困難であることが分かっている。今回我々は、地震波のP波からS波への変換を明らかにするレシーバー関数法を用いて、赤道付近の大西洋中央海嶺で得られた海底地震データを使い、マントル遷移層の境界となる不連続面を画像化した。得られた画像から、深さ約660 kmの地震学的不連続面が、約600 kmの長さの帯状に10 ± 4 km隆起しており、深さ410 kmの不連続面が5 ± 4 km沈降していることが示された。このようにマントル遷移層が薄くなっていることは、全球地震トモグラフィーによって得られたマントル内の低い剪断波速度と一致している。さらに、大西洋中央海嶺下のマントル遷移層の地震波速度は、より年代の古い大西洋の海底下よりも平均的に遅くなっていた。こうした観測結果は、連続的にせよ間欠的にせよ、大西洋中央海嶺と関連付けられる、下部マントルから上部マントルへの物質輸送の存在を示唆している。これは、大洋中央海嶺系の長さと寿命を考えれば、全マントル対流がこれまで考えられていたよりも一般的であり、海嶺の上昇流はスラブ下降流と釣り合いを取る役割を果たしていることを示唆している。

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