注目の論文
血小板が新生児の血管閉鎖を促進する
Nature Medicine
2009年12月7日
Platelets promote closure of vessels in newborns
血小板は血管の閉鎖に不可欠で、誕生後も血管が開いたまま残ると病気につながるおそれがあるとの報告が寄せられている。新生児にみられるある重要な疾患の解明に、この知見が役立つだろう。
動脈管は胚発生の際に必要な胎児血管で、誕生後すぐに閉鎖する。これが閉じないと、肺高血圧症や心不全につながる。動脈管がどのような仕組みで閉鎖するのかはわかっていなかったが、今回S Massbergたちが、マウスの動脈管閉鎖に血小板(血液凝固にかかわる細胞)が重要な役割を果たすことを明らかにした。
Massbergのグループは、動脈管閉鎖の際にそこに血小板が引き寄せられ、血管の収縮につれて血餅形成を促進することを発見した。血小板の機能に異常があるマウスでは動脈管が閉鎖せず、ヒトの場合とよく似た症状、すなわち肺の血流の増加と右心室の肥大が生じた。また、未熟児での臨床研究で、血液中に血小板が十分にないことと動脈管閉鎖不全が関連することも明らかにされた。
doi: 10.1038/nm.2060
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