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スポーツ:試合日には「サッカー熱」が最高潮に達する

Scientific Reports

2026年2月6日

Sport: ‘Football fever’ peaks on match day

Scientific Reports

ドイツサッカー連盟(Deutscher Fußball-Bund-Pokal;DFBポカール)2025年カップ決勝戦当日、サッカークラブ「アルミニア・ビーレフェルト(Arminia Bielefeld)」のサポーターの平均ストレスレベルは、試合のない日と比べて41%高かったことを報告する論文が、オープンアクセスジャーナルScientific Reports に掲載される。著者らは、この「サッカー熱(football fever)」と呼ばれる反応は、サポーターがチームや仲間、スポーツ自体に対して抱く感情の強さが原因かもしれないと指摘している。

サッカー(フットボールとも呼ばれる)は、世界で最も人気のあるスポーツであり、ファンに強い生理的および感情的反応を引き起こすことがある。2025年のDFBポカール決勝戦は、2025年5月24日にベルリン・オリンピアシュタディオン(Olympiastadion)で開催され、アルミニア・ビーレフェルトが初めて決勝進出を果たした。対戦相手である「VfBシュトゥットガルト(VfB Stuttgart)」は、7度目の決勝進出を果たし、アルミニア・ビーレフェルトを4対2で下し、4度目のカップ優勝を遂げた。

Christian Deutscher、Christiane Fuchsら(ビーレフェルト大学〔ドイツ〕)は、アルミニア・ビーレフェルトの成人ファン229名から、カップ決勝の10日前から決勝後10週間にいたる12週間のスマートウォッチデータを分析した。著者らは、心拍数と心拍変動性の組み合わせから推定した参加者の心拍数とストレスレベルの変化を分析し、37名の参加者(男性54%、平均年齢39歳)を対象としたアンケートデータを用いて、これらの変化に影響を与える要因を調査した。その結果、カップ決勝戦当日の参加者の平均ストレスレベルは、試合のない日と比較して41%高いことが判明した。ストレスレベルは、試合開始数時間前から上昇し、キックオフと同時にピークに達し、終了後もしばらく高い状態が続いた。参加者の平均心拍数は、非試合日の毎分71回からカップの決勝戦当日は79回に増加した。スマートウォッチデータとアンケートデータを比較したところ、オリンピアシュタディオンで試合を観戦した参加者の平均心拍数は、テレビ観戦や公共の場で観戦した参加者より23%高かった。また、アルコールを摂取した参加者は、摂取しなかった参加者より平均心拍数が5%高かった。

この結果は、サッカーファンが主要な試合に対して強い身体的反応を示すことを明らかにしている。著者らは、心拍数の上昇とアルコール摂取が組み合わさると、不整脈などの有害な心臓イベントのリスクを高める可能性があると指摘している。著者らは、今後の研究では、さまざまなタイプの高ストレス状況における激しいイベントへの身体的反応をより詳細に調査すべきだと提案している。

Adam, T., Bauer, J., Deutscher, C. et al. Measuring football fever through wearable technology. Sci Rep 16, 3866 (2026). https://doi.org/10.1038/s41598-026-36182-1
 

doi: 10.1038/s41598-026-36182-1

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