注目の論文
【疾患】関節リウマチの発症機序の解明を進める
Nature Communications
2015年5月6日
Disease: Getting to grips with rheumatoid arthritis
自己免疫疾患の一種である関節リウマチの発症機序の1つとして、病原微生物に感染することが引き金となって発症する機序を提案する論文が、今週掲載される。
慢性の関節疾患である関節リウマチ(RA)は、免疫系が自己の身体を攻撃し始めることで引き起こされる。RAには遺伝的要因のあることが知られており、免疫系関連遺伝子の変異によってRAになりやすくなったり、RAにかからなくなったりする。RA患者によく見られる自己抗体(自分自身のタンパク質に対する抗体)は、タンパク質のアルギニン残基がシトルリン残基に変換された「シトルリン化」タンパク質のうちの特定のものを標的としている。
今回、Rene Toesたちは、シトルリン化タンパク質の1つであるビンキュリンがRA患者の関節内で見つかり、自己抗体と免疫系細胞の標的になっていることを明らかにした。また、Toesたちは、RA予防効果のある特定の遺伝子多様体を持つRA患者において自己免疫応答が起こらないことを発見するとともに、T細胞が数多くの微生物に見られるビンキュリン分子内の特定のアミノ酸配列を認識することを明らかにした。以上の新知見とこれまでの研究で得られた別の複数の証拠は、微生物がRAの発症において何らかの役割を果たすことを示唆している。
doi: 10.1038/ncomms7681
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine