注目の論文
がんの予防効果が期待される紫色のトマト
Nature Biotechnology
2008年10月27日
Purple tomatoes may keep cancer at bay
がんになりやすい変異マウスが、遺伝子操作で抗酸化物質の含有量を高めたトマトを摂取したところ、がんの予防効果が認められた。Nature Biotechnology(電子版)に掲載される論文では、私たちの食事にこのようなトマトを加えることが、健康と福利の増進に役立つ可能性があることが示唆されている。
植物によって産生されるアントシアニンという抗酸化色素は、さまざまなヒトの病気に対する予防効果がある。このほどC Martinらは、キンギョソウの転写因子をトマトに導入して、アントシアニンの生合成を増進させた。できあがったトマトは、濃い紫色をしており、アントシアニンの蓄積量は、これまでに遺伝子操作によって作製されたトマトよりも多かった。
研究チームが、この紫色のトマトの粉末を加えた食餌をがん感受性マウスに与えたところ、マウスの寿命は有意に延びた。また、アントシアニンが豊富に含まれるブラックベリーやブルーベリーのような食物を摂取することは、ヒトの健康に有益なこととされてきている。食事による抗酸化物質の摂取を補う上で、より簡単な方法が、遺伝子組み換えトマトなのかもしれない。
doi: 10.1038/nbt.1506
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine