注目の論文
ヒメコチョウランのゲノム塩基配列解読
Nature Genetics
2014年11月25日
Orchid genome sequenced
経済的に重要な観賞植物であるPhalaenopsis equestris(ヒメコチョウラン)のゲノム配列が解読された。
ヒメコチョウランは、全植物の中で最大の科の1つであるラン科に属しており、ラン科の植物には、特殊な生殖適応と生態適応がさまざまに見られる。例えば、ヒメコチョウランは、大部分の植物の光合成経路とは異なる代謝形式、CAM(ベンケイソウ型有機酸代謝)を利用している。
今回、Z-J Liuたちは、ヒメコチョウランのゲノムの塩基配列決定を行った。CAM植物のゲノム配列が解読されたのは今回が初めてだ。Liuたちは、花の発生に重要な役割を果たすMADSボックス遺伝子を同定し、ヒメコチョウランにおいて特定のMADSボックス遺伝子ファミリーが拡大し、多様化したことを明らかにした。この新知見は、こうしたMADSボックス遺伝子が高度に特殊化した花の形状に寄与している可能性を示唆している。また、ヒメコチョウランのゲノムにおいて、大昔に大規模な重複事象があったことを示す証拠も見つかった。これが、CAMという代謝形式の進化に関係しているのではないかとLiuたちは考えている。
doi: 10.1038/ng.3149
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