ウイルス:コウモリからヒトへ伝播したヘニパウイルス
Nature Communications
2014年11月19日
Virology: Henipavirus spillover from bats to humans
アフリカでヘニパウイルスがコウモリの集団からヒトの集団に伝播したことを示す証拠についての報告が、今週掲載される。ただし、ヒトがヘニパウイルスに感染した場合に、無症状なのか、あるいは何らかの疾患が生じるのかは分かっていない。
ニパウイルス、ヘンドラウイルスなどのヘニパウイルス(HNV)は、南アジア、オーストラリア、アフリカに生息する数種類のフルーツコウモリに感染する。アジアとオーストラリアのヘニパウイルスは、コウモリには無害だが、家畜やヒトに感染すると、急性脳炎や呼吸器疾患を引き起こし、死に至らしめることが多い。アフリカでは、森林伐採が広範囲で進行中で、コウモリとヒトの接触頻度が高まっているが、これまでのところ、アフリカのヘニパウイルスがヒトに感染したという報告はない。
今回、Benhur Leeたちは、フルーツコウモリ44頭とカメルーン南部の居住民487名から採取した血液試料を解析した。その結果、コウモリの血液試料の48%とヒトの血液試料の約1%で、ヘニパウイルスの構成成分に特異的に反応する抗体の陽性反応が認められ、現在または過去におけるウイルス感染が明らかになった。陽性反応を示したヒトの血液試料のほとんどは、森林伐採が行われている地域の住民から採取されたもので、これらの住民は、コウモリを食肉用に処理したと申告している。
アフリカのヘニパウイルスがヒト集団へ溢出した範囲を突き止め、ヘニパウイルス感染が実際に疾患の発症につながったのかどうかを解明するためには、さらなる監視が必要とされる。
doi: 10.1038/ncomms6342
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