注目の論文
【遺伝】善玉コレステロール値を高める遺伝子多様体
Nature Communications
2014年9月17日
Genetics: A genetic variant for healthier lipids
血漿トリグリセリド濃度が相当に低い状態と関連する遺伝子多様体について報告する論文が、今週掲載される。この多様体は、出現頻度が低いが、大きな影響を及ぼす。これまでに、大規模なヒト集団を対象とした全ゲノム塩基配列解読によって、この種の多様体が同定されることはほとんどなかった。血漿トリグリセリド濃度は、心血管疾患のリスク因子として定着している。
心血管疾患のリスクが決まる際に重要な役割を果たす遺伝的要因のあることが知られているが、これまでに同定された遺伝的要因は、出現頻度が比較的高く、心血管疾患の発症リスクの個人差にわずかな影響しか与えていない。そのため、大規模な集団を対象とした全ゲノム解析によって、発症リスクに大きく影響する低頻度の遺伝子多様体を同定することが期待されていた。
今回、UK10KコンソーシアムのNicole Soranzoたちは、低い血漿トリグリセリド濃度と関連するAPOC3遺伝子の多様体を同定し、この多様体を有する人々が、英国の人口の約0.25%に相当する約16万人であることを明らかにした。また、この多様体は、超低密度リポタンパク質(いわゆる「悪玉コレステロール」)の濃度が低い状態と高密度リポタンパク質(いわゆる「善玉コレステロール」)の濃度が高い状態とも関連していることも明らかになった。この多様体の存在により、心血管疾患の全体的なリスクが下がると推測されている。
doi: 10.1038/ncomms5871
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