注目の論文
【進化】大勢の人の中から目的の顔を見つける
Nature Communications
2014年9月17日
Evolution: Faces in a crowd
ヒトの顔に個性が生まれたのは、複雑な社会集団における人違いを避けるためだったという考え方を示した新しい論文が掲載される。
ヒトには、大規模な社会集団を構成するさまざまな人々を見分けるという注目すべき能力がある。その一因は、顔の特徴が千差万別である点で、ヒトの顔は、大集団で生息する他の動物種より多様性が高い。
今回、Michael SheehanとMichael Nachmanは、顔の特徴と体形質の測定指標を用いて、顔が、一般に、手などその他の特徴よりも形状とレイアウトの多様性がはるかに高いことを明らかにした。今回の研究では、アフリカ系とヨーロッパ系の人々の大型の遺伝子データセットの解析も行われ、顔の特徴に関連するゲノム領域の多様性が高いことを示す証拠が得られた。この新知見は、顔の形質の多様性の高さを維持するために選択圧が働いていることを示唆しており、顔の個性のための進化的選択を示している。
また、この特定のゲノム領域は、ネアンデルタール人のものと類似しており、この多様性が、現生人類が登場する前から存在していたことが示唆されている。
doi: 10.1038/ncomms5800
注目の論文
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月24日
化学:細菌がプラスチック廃棄物を鎮痛剤に変換Nature Chemistry
-
6月19日
人類の進化:アフリカからの移動に先立つ、人間の生息域の大幅な拡大Nature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月17日
都市:人工光が都市部の生育期を延長させているNature Cities