注目の論文
肥満が誘発する炎症とインターロイキン6
Nature Immunology
2014年3月31日
Interleukin 6 in obesity-induced inflammation
炎症促進性分子インターロイキン6(IL-6)が、肥満に伴う慢性の軽度の炎症を抑えるという意外な役割を果たしている可能性がある。
肥満に伴って、脂肪組織では免疫細胞の浸潤と活性化が起こり、また全身で炎症促進性サイトカインが増加する。これがインスリン抵抗性を生じさせ、最終的には2型糖尿病の発症に結びつく。Jens Bruningたちは、骨髄細胞で特異的にIL-6受容体(IL-6R)遺伝子を不活性化したマウスでは、餌が誘発する肥満によってグルコースの恒常性が著しく悪化することを明らかにした。それは、インスリン抵抗性が強まり、炎症が悪化し、組織の監視と修復に広く関わる抗炎症性マクロファージ群の発生が減少するためである。
これらの結果は、IL-6が細胞や組織の状況に応じて炎症促進作用と抗炎症作用の両方を持つことを示している。これら以外にも、マクロファージが重要な関わりを持つ発がんや創傷治癒といった条件のもとで、マクロファージ中のIL-6情報伝達がどのような役割を果たすかについては、さらなる調査が必要である。
doi: 10.1038/ni.2865
注目の論文
-
4月25日
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
4月24日
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour