注目の論文
【生化学】非常に高い効率でコカインを分解する酵素の設計
Nature Communications
2014年3月19日
Biochemistry: A superfast enzyme on drugs
コカインを不活性化させる酵素がコンピューター設計によって最適化され、その反応速度が天然の酵素で最速なものと肩を並べることが明らかになった。今回の研究で人工的に作出された酵素の変種は、コカインの解毒に利用できる可能性のあることが示唆されている。この成果を報告する論文が、今週掲載される。
ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)という酵素は、さまざまな分子と結合して代謝するが、そうした分子の1つがコカインだ。ただし、BChEによるコカインの化学的不活性化は、速度がかなり遅い。今回、Chang-Guo Zhanたちは、コンピューターによる方法を用いて、BChEのコカイン変換速度を高める一連の変異を予測した。こうした変異によって高まったBChEの触媒速度は、最高の触媒速度を示す天然の酵素として知られるアセチルコリンエステラーゼの領域に達する。また、Zhanたちは、ラットに致死量のコカインを注入する実験で、その直前に最適化されたBChEの変種をラットの静脈内に注射したところ、ラットの生存率が高まったことを明らかにした。この結果は、最適化されたBChEが、コカインの解毒という状況下で治療効果を示す可能性を示唆している。ただし、コカインの大量摂取後にBChEを投与した場合に治療効果が得られるかどうかは明らかになっていない。
doi: 10.1038/ncomms4457
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