注目の論文
【遺伝】2つの新たな双極性障害の遺伝的な発症リスクバリアント
Nature Communications
2014年3月12日
Genetics: Two new genetic risk variants for bipolar disease
双極性障害の発症リスクを上昇させる可能性のある2つの新たな遺伝的バリアントが、 24,000人以上を対象にしたゲノムワイド関連解析から明らかになった。このたび発表される成果は、双極性障害の遺伝的基盤についてのさらなる手掛かりとなるものである。
双極性障害は複雑な原因から発症する疾患で、躁と鬱の病態が交互に出現することを特徴とする。双極性障害は頻度が高い疾患で人口のおよそ1%が罹患するが、疾患の発症に関わる遺伝的因子および環境因子が十分に特性解析されているわけではない。Sven Cichonたちは、現時点においては最大規模の双極性障害についての関連解析を行い、新たに2つの双極性障害の発症リスクを増大させる遺伝的バリアントを同定し、同時に、これまでに疾患関連性が報告されていた3つのバリアントの関連性を確認した。
今回新しく同定された2つのリスクバリアントのうち一方は、情報処理の速度に影響をもたらすと既に報告されているもので、もう一方は、神経伝達に関与しているADCY2タンパク質の機能を損なうと予測されるものであった。今回の研究成果によって、双極性障害の発症原因となる生体内機序についての理解が深まると期待される。
doi: 10.1038/ncomms4339
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine