注目の論文
ロシアにおける薬剤耐性結核
Nature Genetics
2014年1月27日
Drug resistant tuberculosis in Russia
ロシア国内で薬剤耐性結核(TB)の罹患率が高い地域の患者から採取された結核菌株の全ゲノム塩基配列解読について報告する論文が、今週掲載される。この大規模な遺伝的研究で、罹患率が高い集団での薬剤耐性結核の出現と進化に関する手掛かりが得られた。
ロシアのサマーラは、多剤耐性結核と超多剤耐性結核の罹患率が高い。今回、Francis Drobniewskiたちは、サマーラで2年間に患者から採取した1,000例の結核菌株のゲノム全体の塩基配列を解読し、英国の患者から単離された多様な菌株のパネルと比較した。そして、ロシアで採取された薬剤耐性菌株の構造を調べて、これらの菌株が2つの主要な系統に属することを発見した。つまり、642例が北京系統株で、355例が欧米系統株であることが明らかになった。また、薬剤耐性と薬剤耐性変異のパターンの解析も行われ、多剤耐性結核菌株において補償的な変異が生じ、菌株の適応度と感染力が増強された実例が明らかになった。
doi: 10.1038/ng.2878
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine