注目の論文
酸で結核と戦う
Nature Medicine
2008年7月21日
Fighting tuberculosis with acid
体には天然の防御機構が備わっているが、結核菌がこの仕組みに打ち勝つのを助ける特殊なタンパク質が突き止められた。免疫細胞は結核菌を取り込んで消化するために酸性化という方法を使うが、このタンパク質は酸性化に対する抵抗力をもたらす。
酸性化は、免疫細胞やマクロファージが結核菌Mycobacterium tuberculosisと戦う際に使う重要な武器だが、酸が結核菌を殺すのか、また病気の発症に酸性化抵抗性が必要なのかは明らかになっていない。
S Ehrtたちは、結核菌が実際にマクロファージの内部の酸性環境のもとでも、抵抗性をもたらす特殊なタンパク質の働きによって生きていけることを発見した。このタンパク質がないと結核菌は生き延びられず、マウスに対する毒性が著しく低下する。
この知見に基づいて、Ehrtたちは、酸性化抵抗性をもたらすこのタンパク質を標的にすれば、有望な抗結核療法になるだろうと述べている。
doi: 10.1038/nm.1795
注目の論文
-
4月25日
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
4月24日
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour