【神経科学】アルコール依存症に関係するイオンチャネル
Nature Communications
2013年11月27日
Neuroscience: Channelling alcohol dependence
マウスの研究で、神経伝達を仲介する特定のイオンチャネルの変異があると、アルコールの選択的摂取が起こることが明らかになった。この新知見は、いくつかの形態のアルコール依存症に関係する各種機構に関する新たな手掛かりをもたらしている。その詳細を報告する論文が、今週掲載される。
GABAイオンチャネルは、哺乳類の神経系が正常に機能するために必須のタンパク質だ。これまでの研究では、アルコールがGABAイオンチャネルの一部のタイプに影響を与えて、イオンチャネルの活性を高め、アルコール探索行動の亢進に寄与する可能性のあることが示唆されていた。ただし、この仮説については、決定的な実証が行われていない。今回、Quentin Ansteeたちは、この点に取り組むため、特定のタイプのGABA受容体が変異している2種類のトランスジェニックマウス系統について調べた。その結果、アルコールの摂取と自己投与が増加し、自発的に開口するGABAチャネルを有することが明らかになった。この開口活性の変化によって、マウスの脳の側坐核ニューロンの興奮性が変化する。側坐核は、報酬と依存症に大きく関係する脳領域だ。
今回はマウスを用いた研究だったが、Ansteeたちは、今回得られた知見がヒトにも適用できることを期待している。ヒトの場合、GABAイオンチャネルの変異がアルコール依存症に関係していると考えられているからだ。もし今回得られたものと同じ知見がヒトについても得られれば、アルコール依存症の一部の形態を標的とする新薬の開発につながる可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms3816
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