注目の論文
皮膚感染を制御する
Nature Immunology
2013年6月24日
Controlling skin infection
マウスの皮膚の免疫応答を制御する重要なしくみが明らかになった。この研究は、薬剤耐性菌、特に院内感染問題となるMRSAなどの細菌が引き起こす重症の皮膚感染に対する新しい治療法につながる可能性がある。
Sandip Dattaたちは、薬剤耐性をもつ黄色ブドウ球菌(皮膚の病原菌として臨床上最も重要で、MRSA感染症の原因菌でもある)に対する免疫応答を調べ、特にIL-20ファミリーのサイトカインの役割りに注目した。これらのシグナル伝達分子は皮膚のケラチノサイトから分泌され、乾癬と関係があるとされているが、感染との関連についてはこれまで調べられていなかった。Dattaたちはマウスとヒトの皮膚試料を利用して、黄色ブドウ球菌感染に応答してIL-20ファミリーのサイトカインが分泌され、これが細菌抑制に必要な重要な因子IL-1の産生を阻害するため、他の免疫応答が抑制されることを発見した。皮膚でIL-20ファミリーのサイトカインを作用させると感染が悪化し、逆にその働きを阻害すると、黄色ブドウ球菌に対する免疫応答が改善した。
doi: 10.1038/ni.2637
注目の論文
-
4月23日
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change