注目の論文
【動物学】絶滅種が一転して「生きた化石」に
Nature Communications
2013年6月5日
Zoology: A living fossil comes ‘back from the dead’
絶滅が正式に宣告された最初の両生類だったパレスチナイロワケガエルが、実は絶滅していなかったことが明らかになった。パレスチナイロワケガエルは、タイプ産地で約60年間にわたって生息していたのに発見されなかったばかりでなく、生きた化石でもあることを示す証拠が公表さたのだ。この研究結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
パレスチナイロワケガエルは、1940年代初頭にイスラエルのフーラ渓谷で初めて発見されたとき、イロワケガエル属に分類された。そして、1996年に絶滅が正式に宣告された後は、この両生類種の歴史、生物学的特性と生態学的特性を発見する機会は失われたと考えられた。ところが、今回、Sarig Gafnyたちは、この両生類種の自然集団が、最初に発見されたイスラエルの同じ場所で生息していることを報告している。今回再発見されたパレスチナイロワケガエル個体については、新しい遺伝的解析と形態的解析が行われ、その結果として、Latonia群に分類され直された。この分類群は、更新世以降は絶滅しており、絶滅の原因は大陸氷河作用だったと考えられていた。
2004年以降、34の両生類種の絶滅が宣言されているが、今回判明した両生類種の生存は、20世紀の深刻な生息地崩壊を経た後の回復力の特筆すべき一例といえる。
doi: 10.1038/ncomms2959
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