注目の論文
【動物学】「スーパーブラック」着色で変装の名人になったガボンアダー
Scientific Reports
2013年5月16日
Zoology: ‘Super-black’ colouring makes the Gaboon viper a master of disguise
西アフリカに生息するガボンアダーの黒い皮膚に「スーパーブラック」な外観を与えているのが、特異な表面を有する微細構造とナノ構造であることを明らかにした研究論文が、今週掲載される。
西アフリカに生息するガボンアダー(Bitis rhinoceros)は、アフリカに生息するクサリヘビ類の中で最も大きく、その幾何学的模様の皮膚は、その滑らかな表面性状によって、抜群の空間的奥行き感を生み出している。今回、Marlene Spinnerたちは、走査電子顕微鏡法によって、その形態学的特徴と分光特性を調べて、ガボンアダーの背中の皮膚の光学特性を推定した。今回の研究では、ナノスケールの隆線による縞模様のついた葉のような微細構造に特異な階層構造のあることが明らかになった。この滑らかな黒い皮膚は、紫外‐近赤外スペクトル域で、他の皮膚よりもかなり低い反射率とかなり高い吸収率を示した。
この高コントラストの幾何学的着色パターンは、ガボンアダーの胴体の輪郭を隠す効果があり、生息場所である雨林の床にいても見つけるのは難しい。このカモフラージュは、ガボンアダーが狩猟活動を行う時にも、他の動物による捕食を避けるうえでも重要な意味をもっている。
doi: 10.1038/srep01846
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