注目の論文
カイコのDNA修飾地図をつなぎ合わせ
Nature Biotechnology
2010年5月3日
Threading together a map of silkworm DNA modifications
哺乳類や植物に比べると、カイコのゲノムにはDNAメチル化がはるかに少ししかみられないことが明らかになった。メチル化は、遺伝子のスイッチのオン、オフの決定を助けるDNA修飾の一種で、その解明は、カイコの生活環の理解に役立つ可能性がある。
カイコのDNAメチル化レベルを調べるため、J Wangたちは、次世代塩基配列解読法を利用した研究を行い、カイコゲノムのシトシン(4種類あるDNA塩基の1つ)のメチル化、非メチル化の状態を示す高分解能地図を作製した。カイコの絹糸腺の細胞からとったゲノムには、ヒトや植物細胞のゲノムに比べ、メチル化シトシンは約50分の1しか含まれていなかった。
修飾シトシンを多く含むカイコ遺伝子は、遺伝子発現レベルが高いことは確かめられた。ただゲノムの他の領域では、修飾が哺乳類や植物の場合とは異なった役割を果たしている可能性がある。
doi: 10.1038/nbt.1626
注目の論文
-
7月3日
ゲノミクス:古代DNAがエジプト人の祖先の謎を解明するNature
-
7月3日
進化:擬態は見る者の目に依存するNature
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
7月1日
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
6月27日
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports
-
6月26日
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature