注目の論文
マンモスの低温適応
Nature Genetics
2010年5月3日
Woolly mammoth's cold adaptation
マンモスのヘモグロビンをコードする遺伝子の変異が、マンモスが北極域の寒冷環境に適応したことに関連していた可能性があることを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
マンモスと現代のゾウの祖先は赤道アフリカを起源としているが、マンモスの系統は、今から120万~200万年前に高緯度地域に移動した。この移動の時期は、気候変化と高緯度の北極域環境における急激な寒冷化のあった時期に重なっていた。
赤血球に含まれる重要なタンパク質であるヘモグロビンは、酸素と結合し、酸素を運搬するが、体内組織に酸素を放出する能力は、温度の低下によって阻害される。K Campbellと A Cooperらの研究チームは、ヘモグロビン自体に生じた変化が、マンモスの寒冷環境への適応と関連しているのかどうかを調べるため、今から4万3,000年前に生息していたマンモスに由来する、ヘモグロビンをコードする遺伝子の塩基配列を解読し、現代のアフリカゾウやアジアゾウと比較した。その結果、マンモスのヘモグロビンが変異して、低温でも酸素を放出しやすくなっていたことが判明した。
doi: 10.1038/ng.574
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