注目の論文
不安な相互作用
Nature Neuroscience
2010年4月12日
Anxious interactions
セロトニンとコルチコトロピン放出因子の情報伝達の協働(クロストーク)は、マウスの不安様行動の制御に重要であることが、Nature Neuroscience(電子版)の研究で報告されている。
コルチコトロピン放出因子(CRF)とセロトニンはともに不安行動への関与が示されているが、これら2つの経路が細胞レベルでどのように相互作用し不安を制御するのかはわかっていなかった。
S Fergusonらは分子的、生化学的手法を用いて、コルチコトロピン放出因子1型受容体(CRFR1)がマウス神経細胞の2型セロトニン(5-HT2)受容体と複合体を形成することを示している。CRFR1は、神経細胞内部でリサイクルされ細胞表面へ戻される5-HT2受容体を「助ける」。この相互作用と行動との関連を実証するため、CRFをマウスの前頭前野に注入し、続いて5-HT2受容体拮抗薬を投与したところ、不安様行動の増加がみられた。しかし、これらの化合物をそれぞれ単独で投与した場合はマウスの行動には何の影響もなく、CRFR1と5-HT2受容体の特異的な相互作用が不安様行動の増加につながったことが示唆される。
doi: 10.1038/nn.2529
注目の論文
-
7月3日
ゲノミクス:古代DNAがエジプト人の祖先の謎を解明するNature
-
7月3日
進化:擬態は見る者の目に依存するNature
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
7月1日
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
6月27日
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports
-
6月26日
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature