注目の論文

セリアック病に対するリスクに影響する遺伝的多型

Nature Genetics

2010年3月1日

Genetic variants influence risk of coeliac disease

セリアック病に対する高いリスクに関連する13個の遺伝的多型が新たに同定されたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。今回の研究により、セリアック病に関連することが判明した高頻度の遺伝的多型の数が倍増した。

セリアック病とは、コムギ、オオムギ、ライムギに含まれる食事性グルテンやその他のタンパク質によって小腸の内膜が傷つくことを特徴とする遺伝性自己免疫疾患だ。全世界でのセリアック病の罹患率は約1%で、無グルテン食をとることが唯一の有効な治療法となっている。

D van Heelらは、セリアック病患者9,451人のゲノムを解析し、セリアック病に対する高いリスクに関連する13の遺伝領域が同定されたことを報告している。このような関連を有する遺伝領域のほとんどには、免疫系で何らかの機能を担うことが知られている遺伝子が含まれている。また、セリアック病に対するリスクに関連する27個の既知の遺伝的多型のうち18個は、1型糖尿病、関節リウマチなどその他の免疫関連疾患にも関連している。

doi: 10.1038/ng.543

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