注目の論文
腫瘍に関連する細胞老化を抑制する調節因子
Nature Cell Biology
2009年12月14日
Regulator limits tumour related cellular ageing
細胞周期の調節因子であるCdk2が、腫瘍進行に対する障壁と見なされている細胞老化過程の開始を抑制することがわかった。この知見は、Cdk2の阻害が一部の腫瘍の進行を停止させる有用な治療手段となる可能性を示唆している。
C-mycは健康な細胞を腫瘍細胞に転換させるのを助け、がんでは脱調節していることが多い。本来ならば、c-Mycの過剰発現はCdk2の活性化を引き起こし、細胞周期の進行を促進する。しかし、B Amariたちは、Cdk2遺伝子を欠くマウスの結合組織では、c-Mycの活性化が細胞老化につながることを見いだした。また、Cdk2を欠失するマウスのB細胞でc-Mycが発現すると、細胞老化が増進され、野生株の動物に比べてリンパ腫発症が遅れることもわかった。
Mycが過剰発現している細胞では、Cdk2の阻害が老化を引き起こすが、Cdk2の阻害あるいはMycの過剰発現だけでは、同じような影響がみられないことも報告された。
doi: 10.1038/ncb2004
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