注目の論文
炎症と2型糖尿病
Nature Immunology
2009年12月21日
Inflammation and Type 2 Diabetes
新たに同定された炎症にかかわるタンパク質が、先進国で増加している代謝疾患、2型糖尿病(T2D)の誘発に重要な役割を果たしている可能性があるという。この炎症経路の構成因子を標的にすれば、T2Dの新しい治療法につながるかもしれない。
J Tschoppたちは、インスリン抵抗性にかかわることが明らかになっているタンパク質TXNIPが、NLRP3インフラマソームのスイッチが入る過程に深く関係していることを明らかにした。NLRP3インフラマソームはタンパク質複合体で、免疫メッセンジャーであるIL-1βの生産と炎症に関与している。感染などのさまざまなストレスや危険シグナルに応じて、不活性な結合型だったTXNIPが遊離して作用できるようになり、NLRP3インフラマソームの活性化とIL-1βの放出を引き起こす。血液中に過剰の糖が存在する高血糖は、特定の細胞からのIL-1βの放出を誘発し、この誘発はTXNIPに依存する。したがって、これが糖尿病にみられる軽度の慢性炎症の原因である可能性がある。
この研究は高血糖と炎症の結びつきを示しており、NLRP3インフラマソームの成分を標的にできる方法が見つかれば、T2Dや炎症性疾患の新しい効果的な治療法に結びつくかもしれない。
doi: 10.1038/ni.1831
注目の論文
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月12日
動物学:タコはあらゆる作業に最適な腕を前面に出すScientific Reports
-
9月11日
古生物学:トカゲのような生物の起源をさらに遡るNature
-
9月11日
環境:2023年のカナダ山火事の長期的な影響を評価するNature
-
9月10日
健康:大麻の使用は女性の生殖能力に影響を与えるかもしれないNature Communications
-
9月9日
気候変動:気温の上昇が添加糖の消費量の増加と関連しているNature Climate Change