注目の論文

細胞表面発現レベルの高いHLA-CとHIV/AIDS進行遅延の関連

Nature Genetics

2009年11月23日

High levels of HLA-C associated with slower HIV/AIDS progression

免疫系で極めて重要な役割を担うHLA-Cタンパク質の細胞表面発現レベルが高いことが、HIV/AIDSの進行が遅いことに関連するという研究結果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。

現在、全世界で約4,000万人が、重篤な免疫系疾患であるHIV/AIDSに感染している。HIV陽性者の延命治療のために数多くの抗レトロウイルス薬が開発されているが、こうした薬ではHIV/AIDSを治癒できない。

これまでの研究では、HLA-C遺伝子の近傍で見つかった1つの遺伝子多型が、HLA-CのmRNA発現量やHIV RNA量に関連するとされていた。今回、米国立がん研究所(メリーランド州フレデリック)のM Carringtonらは、こうした知見をもとに研究を進め、この遺伝子多型がHLA-Cの発現レベルにも関連していることを明らかにした。さらにCarringtonらは、HLA-C発現レベルの高いHIV陽性者の場合にAIDS発症が遅くなり、HIV量の抑制が有意に優れていることも明らかにしている。

doi: 10.1038/ng.486

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度