注目の論文
高血圧のリズム
Nature Medicine
2009年12月14日
The rhythm of hypertension
高血圧の遺伝的危険因子が、明暗サイクルの制御のもとにあることが明らかになった。これが、概日リズムの乱れと心血管疾患とを結びつけている要因の可能性がある。
概日時計(さまざまな生物の数多くの生理的過程を支配している24時間の周期)の機能不良は、さまざまな病気に結びつくことがわかっている。この分子時計に不可欠な要素として、多くの遺伝子が同定されている。例えば、クリプトクロムとよばれる一対の分子をもたないマウスでは、概日リズムに異常が生じる。岡村均(京都大学)たちは、このクリプトクロム欠失マウスではアルドステロンレベルが異常に高くなり、そのために高血圧になることを明らかにした。
さらに、概日時計がHsd3b6という遺伝子を直接的に制御すること、この遺伝子の産物がアルドステロン生産経路の重要な要素であることも突き止められた。
岡村たちは、これらの知見をヒトに当てはめて考えるには、マウスのHsd3b6遺伝子と機能的に似ているヒトHSD3B1遺伝子について、さらに研究を進める必要があると述べている。
doi: 10.1038/nm.2061
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