注目の論文
脳卒中治療につながる通路
Nature Neuroscience
2009年9月7日
Channels for stroke treatment
脳卒中のモデルラットにおける神経細胞死と記憶欠損は、ある種のイオンチャネルを抑制すれば予防できることが、Nature Neuroscience(電子版)で報告されている。この研究は、ヒトの脳卒中治療にも有望かもしれない。
脳卒中は身体障害の主要な原因であり、毎年約1700万人が亡くなる。卒中時の脳虚血(血流の不足)は、神経細胞死、脳機能の喪失という重大な結果につながり、最終的に運動能力や発話、記憶が損なわれる。
M Tymianskiらは、卒中時の脳虚血に似た状態にあるラットでこのような結果を改善する治療法を考え出した。ラット脳の海馬にある神経細胞に特異的なTRPM7という型のチャネルを抑制したのだ。海馬は記憶にとって極めて重大なことが知られる。この抑制により、ラットの脳細胞は細胞死を免れ、形も機能も保たれており、また記憶試験でも非虚血性ラットと同じくらいの成績をあげた。TRPM7抑制を受けなかった虚血性ラットは、予想どおり神経細胞死と記憶欠損を示した。
doi: 10.1038/nn.2395
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