注目の論文
自己反応性細胞の注意をそらす
Nature Immunology
2009年9月28日
Driving autoreactive cells to distraction
自己に対して反応する可能性のあるT細胞の「スイッチが入る」のを防ぐ仕組みについて、報告が寄せられている。害をもたらすおそれのあるこれらの細胞が活性化される仕組みを解明できれば、糖尿病などの自己免疫疾患を防ぐ新しい治療法に結びつく可能性がある。
以前に行われたマウスでの研究によって、自己免疫を防ぎ、免疫細胞の自己タンパク質に対する寛容性を維持するためには、自己反応性Tリンパ球が発現するタンパク質PD-1が不可欠なことがわかっている。
B Fifeたちは、1型糖尿病マウスモデルを用いて、PD-1を遮断すると自己反応性T細胞の動きが遅くなることを発見した。この自発運動の遅れが、自己反応性T細胞に膵島細胞成分を認識する機会を与えてしまう。その結果、炎症誘発性メディエーターが放出され、膵島細胞の破壊と臨床的糖尿病の原因となる。
これらの知見が、T細胞によるほかの自己免疫疾患にも当てはまるかは、今後の課題である。
doi: 10.1038/ni.1790
注目の論文
-
12月18日
遺伝学:ヒト染色体構造の地図Nature
-
12月17日
遺伝学:古代アンデス人は失われたラクダ科動物の系統を狩猟し、飼育していたNature Communications
-
12月12日
音楽:1973年以降、人気楽曲の歌詞はよりネガティブになっているScientific Reports
-
12月12日
海洋生態学:シャチはイルカを追跡してサケを狩るScientific Reports
-
12月11日
考古学:意図的な火起こしの初期の証拠Nature
-
12月11日
医学:断食がマウスにおける乳がんのホルモン療法への反応改善と関連するNature
