注目の論文
がんの治療を行いながら、生殖能力を保存する
Nature Medicine
2009年9月28日
Preserving fertility during cancer treatment
化学療法が女性の生殖能力に悪影響を与える仕組みと、よく知られた薬を使った方法でこの悪影響を防げる可能性があることが明らかになった。
がんの治療中の若い患者にみられる重大な副作用の1つが不妊で、生殖細胞の化学療法感受性が原因である。S Gonfloniたちは、広く使われる化学療法剤シスプラチンが、雌マウスの生殖細胞で細胞死を促進する情報伝達経路を活性化することを明らかにした。シスプラチンを投与すると、c-Ablとよばれる酵素を活性化し、最終的に生殖細胞の細胞死を引き起こす。このc-Ablに変異があると慢性骨髄性白血病の原因となるが、この病気は、グリーベックという名でよく知られる抗がん剤イマチニブによる治療の対象になる。
重要なことだが、イマチニブによる治療には、シスプラチンが引き起こす雌の生殖細胞の細胞死を抑える働きがあることが判明した。つまりイマチニブを用いれば、化学療法の際に生殖細胞を保護し、生殖能力を保存できる可能性がある。
doi: 10.1038/nm.2033
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