注目の論文
がんに関連する遺伝的多型が新たに同定される
Nature Genetics
2009年8月3日
New genetic variants associated with cancer
3種類のがんに関して、その高い発症リスクに関連する比較的高頻度の遺伝的多型が同定されたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
国立がん研究所(米国メリーランド州ベセズダ)のS Chanockらは、数千人のすい臓がん患者のゲノムを解析し、血液型を制御する重要な遺伝子ABOの多型性が、すい臓がんの高い発症リスクに関連していることを見いだした。1950~1960年代の研究で、A、AB、B型の血液型をもつ人が、O型の人よりすい臓がんの発症リスクが高いことが示唆されていたが、今回の知見は、その結果を説明付けている。すい臓がんは、致死率の高い疾患で、ほとんどの症例で患者は死亡している。
ケンブリッジ大学(英国)のP Pharoahらは、数千件の卵巣がん症例のゲノムを解析し、卵巣がんの高い発症リスクに関連する遺伝的多型を染色体9p22に同定した。卵巣がんも生存率が低く、診断確定後5年間生存した症例は、診断確定症例の約半数に留まっている。
さらに、MDアンダーソンがんセンター(米国テキサス州ヒューストン)のX Wuの研究チームは、米国とヨーロッパの人々の集団において、PSCA(前立腺幹細胞抗原)遺伝子の多型性が膀胱がんの高い発症リスクに関連していることを見出した。欧米諸国において、膀胱がんは、すい臓がんや卵巣がんよりも罹患率が高いが、生存率も高く、診断確定後5年間生存した症例は、診断確定症例の約80%を占めている。
doi: 10.1038/ng.429
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