注目の論文
1型糖尿病の扇動者
Nature Immunology
2009年8月10日
Instigator of type 1 diabetes?
Deaf1タンパク質の活性の変化が、1型糖尿病の発症に関係しているらしい。
糖尿病は自己免疫疾患の一種で、T細胞がインスリンを生産する膵臓のβ細胞を攻撃、破壊することによって起こる。正常なら、T細胞は自己タンパク質への暴露によって、これらの膵臓細胞にも寛容性をもつようになる。
C G Fathmanたちは、これら自己タンパク質の膵臓リンパ節での発現をDeaf1タンパク質が促進することを、マウスで明らかにした。しかし、1型糖尿病の発症と時期を同じくして、機能をもたない型のDeaf1が発現されることがわかった。
重要なのは、1型糖尿病患者で同様の機能をもたないDeaf1が健常者に比べて高い濃度で発現されていることである。Deaf1活性の喪失が1型糖尿病の発症に直接結びつくのかを解明し、治療によって非機能性Deaf1変異体の発現を防げるかを明らかにするには、さらに研究が必要である。
doi: 10.1038/ni.1773
注目の論文
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
8月7日
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature
-
8月7日
生態学:タコの観察がソフトロボットの設計に新たな着想を与えるかもしれないNature