注目の論文
リンパ管の成長を阻害
Nature Medicine
2009年8月10日
Inhibiting lymphatic vessel growth
リンパ管の成長を妨げる初めての内在性阻害因子が発見された。この発見が、移植拒絶反応の治療や腫瘍でのリンパ管成長の治療に結びつく可能性がある。
リンパ系は、細胞へと液体や分子を運ぶだけでなく、細胞から不要な液体を排出するのにも不可欠である。血管とリンパ管の成長を調節する正、負の調節因子のバランスが崩れると、多くの病気の原因になるおそれがある血管成長の阻害因子は天然に数多く存在するが、リンパ管の成長(リンパ管形成)を選択的に阻害する内在性因子は、これまで見つかっていなかった。
J Ambatiたちは、このような阻害因子の存在を明らかにした。この可溶性Vegfr-2とよばれる因子は、Vegfタンパク質の情報伝達を妨げることによってリンパ管形成を阻害する。マウスでは、組織特異的に可溶性Vegfr-2を失わせると、正常ならリンパ管をもたないはずの核膜などにも、リンパ系が自発的に形成される。外傷や移植後に可溶性Vegfr-2を投与すると、リンパ管形成は阻害されるが血管形成は阻害されず、移植手術後のマウスの生存率が上昇した。
可溶性Vegfr-2は、血管を温存しながらリンパ管に選択的に作用するので、リンパ管形成異常、移植拒絶反応、腫瘍におけるリンパ管形成の治療に結びつくかもしれない。
doi: 10.1038/nm.2018
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