免疫系の古典的武器の制御
Nature Immunology
2009年6月8日
Regulating an ancient arm of our immunity
免疫系に備わる古典的な武器を制御してほかの組織の巻き添え被害を防ぐ仕組みと、ブドウ球菌がこの応答を逃れる仕組みが、新たな研究で明らかになった。この知見は、このような免疫を介した病気の治療法設計のてがかりになりそうだ。
血液中を循環する補体とよばれる一群のタンパク質は、標的となる細胞を検出して排除するが、適切な制御を受けないと、宿主細胞を無差別に攻撃してしまうことがある。補体系はいくつかの経路で活性化されるが、すべての中心となるのはC3転換酵素とよばれる酵素の発生で、この酵素の構造はこれまで解明されていなかった。
P GrosとJ Lambrisたちは協同して、ブドウ球菌のタンパク質SCINとC3転換酵素との共結晶を作製した。このSCINは補体系を阻害するタンパク質で、ブドウ球菌の毒性の原因になっている可能性がある。C3転換酵素の中心となる成分はC3bで、これが親分子であるC3と複合体を作る可能性があることがわかった。補体応答の活性化と「自己増幅」の基盤となる機構が、この複合体形成ではっきりするかもしれない。SCINはC3転換酵素を不活性状態に「固定」して酵素が補体系を活性化するのを防ぎ、それによってブドウ球菌を宿主の免疫応答から守っているようにみえる。
さらに彼らは、補体H因子とよばれるヒト補体系阻害因子とC3bの共結晶も作製した。補体H因子はC3bが自然に活性化されるのを防ぐことが知られているが、このC3b自己増幅の抑制は、H因子がC3bに結合して活性複合体からC3を除くのを助け、それ以上の活性化を防ぐからであることがわかった。
doi: 10.1038/ni.1755
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