注目の論文
喫煙と自己免疫が関節リウマチ感受性に影響する
Nature Genetics
2009年11月9日
Smoking and autoimmunity affect rheumatoid arthritis susceptibility
関節リウマチの遺伝的基盤に関する新たな知見を報告する2つの論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
関節リウマチ(RA)は、後天性の慢性自己免疫疾患で、複数の関節の内層に炎症が生じることを特徴としている。これは、最も一般的な炎症性の関節炎で、遺伝的要因と環境要因の両方の影響を受けている。
ロンドン大学インペリアルカレッジ(英国)のK Lundbergらは、関節リウマチ感受性、そして既に確立されている遺伝的要因、環境要因、自己免疫要因の相互作用を調べた。これらの要因には、(1)いくつかの既に研究された遺伝子、(2)喫煙などの環境要因、(3)特定の免疫系の抗体が含まれる。Lundbergらは、これらのさまざまな要因の相互作用が、特定のタンパク質に依存していることを見出し、このタンパク質が、この遺伝子と環境要因の相互作用の根底にある自己免疫応答を仲介している可能性があると考えている。
一方、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(米国マサチューセッツ州ボストン)のS Raychaudhuriらの論文では、関節リウマチに関連する3つの遺伝的多型が同定されたことが報告されている。S Raychaudhuriらは、コンピューターを利用して遺伝子間の機能的関係を予測するGRAILという方法でゲノムワイド関連解析のデータセットを解析するという独自のアプローチで研究を進め、その後、これとは独立した約8000例の関節リウマチ症例によって、解析知見を確認した。
doi: 10.1038/ng.480
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