注目の論文
本態性振戦の発症リスクを高める遺伝子多型
Nature Genetics
2009年2月2日
Gene variant increases risk of essential tremor
神経疾患である本態性振戦の遺伝的危険因子が初めて同定されたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。この研究は、本態性振戦の新たな治療法に結びつく可能性がある。
本態性振戦は、腕や手のふるえを特徴とする進行性神経疾患で、そのために書き行動、飲食行動やその他の日常生活での行動に支障をきたすことがある。推定有病率にはさまざまなものがあるが、65歳以上の人々における有病率が最大13%に達している可能性を示した研究報告もある。今回、deCODE Genetics社(アイスランド・レイキャビク)のK Stefanssonたちは、本態性振戦患者を対象とした全ゲノム関連解析を行い、LINGO1遺伝子の多型が本態性振戦の発症リスクを高めることを報告している。LINGO1タンパク質は、神経系における細胞間相互作用に関与し、ニューロンの生存を制御することも知られている。これまでには、LINGO1タンパク質の活性を阻害するとニューロンの生存と機能改善が促進されることが、他の神経疾患の動物モデルを使った実験で明らかになっており、Stefanssonたちは、これが本態性振戦の有望な治療法となる可能性があると考えている。
doi: 10.1038/ng.299
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