注目の論文
睡眠中の神経パターンの再生
Nature Neuroscience
2009年6月1日
Replay of neural patterns during sleep
神経活動の学習関連パターンは睡眠中に脳内で再生され、この再生が記憶の固定に重要かもしれないと示唆されている。Nature Neuroscience(電子版)の論文によると、内側前頭前野(mPFC)における再生活動が初めて観察され、海馬(記憶の形成や想起に寄与することが知られる領域)でも同様のパターンが同時に発生することが発見された。
S Wienerらは、ラットが迷路の進み方を学習しているときと、学習後に眠っているときのmPFCニューロン群の活動を記録した。迷路の抜け方を学習するにつれてmPFCニューロンの活動は変化し、その後の睡眠中に類似した活動パターンが再び現れた。この再生現象はたいてい、海馬でも定型的な活動として同時に起こった。
内側前頭前野は意思決定に重要な役割を果たすと考えられており、以前から記憶への関与が示されている。しかし、今回の結果は睡眠中の活動を初めて調べたもので、睡眠中の神経活動が記憶固定に役割を果たすかもしれないという見解を支持する。
doi: 10.1038/nn.2337
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