注目の論文
白血病治療薬の新しい標的
Nature Genetics
2009年6月8日
New drug target for leukaemia
慢性骨髄性白血病(CML)の場合、造血幹細胞に遺伝的変異が生じ、それが白血病細胞の増殖に必須となっているが、この遺伝的変異が生じた造血幹細胞を既存の薬剤で狙い撃ちできることが明らかになった。この成果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。この研究では、ある種の白血病の治療において薬剤標的となりうる特定の細胞が明示されている。
マサチューセッツ大学医学系大学院(米)のS Liらは、遺伝的変異によって生じたBCR-ABL遺伝子を用いて発症させたCMLのマウスモデルを使った。BCR-ABL遺伝子は、2つの正常な遺伝子が融合したもので、ヒトCMLの場合にもみられる。その結果、BCR-ABL遺伝子を有し、Alox5遺伝子の欠如したマウスは、CMLを発症しないことが判明した。
Alox5遺伝子の機能を標的とする薬剤は既に開発されているため、Liらは、そのうちの1つを使って調べたところ、CMLマウスの寿命が延び、その際に正常な血液細胞の産生は阻害されなかった。今回の研究は、白血病細胞の大部分を標的とするよりもCMLを発症させる前駆細胞を特異的に標的とする方法が有効なことを実証している。
doi: 10.1038/ng.389
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