注目の論文
DNA塩基配列以外に受け継がれるもの
Nature Genetics
2009年1月19日
Inheritance extends beyond the DNA sequence
一卵性双生児どうしのほうが二卵性双生児どうしよりも似ている原因は、DNA塩基配列の類似性だけでなく、DNAの発現を制御する化学修飾のパターンの類似性にもあるとする考え方を示した論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
遺伝子の発現は、さまざまな化学修飾因子によって制御されている。そうした因子の1つがメチル基で、近年、ゲノム全体にわたったメチル化パターンの解析が行われてきている。このほど、中毒・精神衛生センター(カナダ・トロント)のA Petronisらは、一卵性双生児と二卵性双生児の組織のプロファイリングを行うことで、DNAメチル化の個人差に関する初めてのゲノムワイドな研究を実施した。そして、ゲノムの異なる二卵性双生児は、同じゲノムを有する一卵性双生児よりも、DNAメチル化の差が大きいことを実証した。Petronisらは、親から受け継いだDNAメチル化プロファイルの差異が、表現型の差異を生じさせる上で相当程度の寄与をしている可能性があるという考え方を示している。
doi: 10.1038/ng.286
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