注目の論文
がんの特徴に着目
Nature Medicine
2008年12月8日
Seeing cancer specifics
生きたがん細胞での選択的分子イメージングを可能にする蛍光プローブの報告が寄せられている。この方法は正常細胞由来の「ノイズ」を減少させるもので、他のがん特異的分子にも応用できる可能性がある。
がんの診断の目指すゴールの1つは、十分な特異性と感度を備えた画像化技術の開発である。そのためには、正常組織からの背景シグナルをできるだけ少なくすることが重要である。東京大学の浦野泰照たちは、体内でがんを極めて特異的に可視化することに成功した。彼らが開発したプローブは、細胞内に入ると、リソソームとよばれる細胞内区画に特徴である酸性側へのpH変化を感知して、蛍光を発するようになる。このpH活性化プローブにがんを標的とする抗体を結合させたところ、マウスの肺がん細胞を実際にうまく画像化できることがわかった。
このプローブは、背景シグナルが極めて少なく、がん細胞に対する特異性が非常に高かった。また、死にかけた細胞や死んだ細胞ではリソソームのPHは酸性を示さなくなるので、生きたがん細胞だけがうまく検出された。今回開発された方法は、がん細胞の表面を特異的な標的とし、リソソームを介して細胞内に入る分子なら、原理的にどのようなものにでも応用が可能である。
doi: 10.1038/nm.1854
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