注目の論文
【微生物学】ナトリウムイオンを汲み出すポンプ
Nature Communications
2013年4月10日
Microbiology: Pumping ions
これまで知られていなかった方法で太陽光エネルギーを利用して、プロトンではなく、ナトリウムイオンを細胞内から外へ輸送するタンパク質を有する海洋微生物が明らかになり、微生物が増殖のためのエネルギーを得る新たな方法が示された。
ロドプシンは、海洋微生物の体内に広く分布しており、大部分のロドプシンは、光エネルギーを利用して、微生物の細胞膜を通してプロトンを汲み出し、プロトン勾配を形成し、これがATP合成に利用される。今回、神取秀樹(かんどり・ひでき)たちは、海洋細菌のフラボバクテリウム属Krokinobacter eikastusに由来する2種のロドプシンの機能を調べた。その結果、その一方が原型的なプロトンポンプで、もう一方の主たる機能がナトリウムイオンのポンプであることが判明した。この発見は、微生物の太陽光利用のレパートリーの理解を深めるだけでなく、光を利用してニューロンを制御する新しい臨床的手段の開発にも寄与する可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms2689
注目の論文
-
4月25日
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
4月24日
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour