注目の論文
【微生物学】ナトリウムイオンを汲み出すポンプ
Nature Communications
2013年4月10日
Microbiology: Pumping ions
これまで知られていなかった方法で太陽光エネルギーを利用して、プロトンではなく、ナトリウムイオンを細胞内から外へ輸送するタンパク質を有する海洋微生物が明らかになり、微生物が増殖のためのエネルギーを得る新たな方法が示された。
ロドプシンは、海洋微生物の体内に広く分布しており、大部分のロドプシンは、光エネルギーを利用して、微生物の細胞膜を通してプロトンを汲み出し、プロトン勾配を形成し、これがATP合成に利用される。今回、神取秀樹(かんどり・ひでき)たちは、海洋細菌のフラボバクテリウム属Krokinobacter eikastusに由来する2種のロドプシンの機能を調べた。その結果、その一方が原型的なプロトンポンプで、もう一方の主たる機能がナトリウムイオンのポンプであることが判明した。この発見は、微生物の太陽光利用のレパートリーの理解を深めるだけでなく、光を利用してニューロンを制御する新しい臨床的手段の開発にも寄与する可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms2689
注目の論文
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
8月7日
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature
-
8月7日
生態学:タコの観察がソフトロボットの設計に新たな着想を与えるかもしれないNature