注目の論文
慢性リンパ球性白血病におけるテロメアタンパク質の阻害
Nature Genetics
2013年3月18日
Telomere protein disrupted in chronic lymphocytic leukemia
慢性リンパ球性白血病(CLL)症例の一部で、染色体の末端部分を再編成から守るために重要なタンパク質を阻害する変異の獲得が起こっていることを報告する論文が掲載される。
CLLは、全世界で成人10万人当たり1~5人が罹患している。今回、C Lopez-Otinたちは、患者由来のCLLのサンプル127点とそれに対応する正常組織を解析したうえで、別の214人のCLL患者を対象とした追試を行った。その結果、検討した症例全体の3.5%で、POT1遺伝子の変異が同定された。POT1遺伝子は、染色体の末端に存在する保護構造であるテロメアの維持に重要な役割を担うシェルタリン複合体の一因子をコードしている。これは、ヒトがんにおいてシェルタリン複合体の構成要素に変異のあることを報告する初めての論文である。
doi: 10.1038/ng.2584
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