注目の論文
抗血栓薬の副作用である出血を阻害する解毒剤
Nature Medicine
2013年3月4日
An antidote to block the bleeding side-effect of anti-thrombotic drugs
凝固因子Xaの直接阻害剤には、過剰な阻害により生じる出血という副作用があるが、ある解毒剤が、この副作用を特異的に阻害することが動物モデルで明らかになった。この解毒剤が、ヒトでも同様な働きをするなら、第Xa因子阻害剤の利用価値が大幅に高まる可能性がある。
凝固因子Xaを標的とする薬剤は、ヒトの血液凝固を防ぐ目的での使用が最近認可され、ワーファリンに代わって標準治療として広く利用される可能性がある。Uma Sinhaたちがその解毒剤として開発したのは、第Xa因子を改変した組換え因子で、天然の正常な第Xa因子がもつ凝固促進活性をもたないが、第Xa因子を阻害する薬剤に結合はするので、阻害薬を吸収してしまうことになる。著者たちはウサギを用いて、第Xa因子の過剰な阻害が原因で生じた出血を、この解毒剤によって止められることを明らかにした。
doi: 10.1038/nm.3102
注目の論文
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月24日
化学:細菌がプラスチック廃棄物を鎮痛剤に変換Nature Chemistry
-
6月19日
人類の進化:アフリカからの移動に先立つ、人間の生息域の大幅な拡大Nature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月17日
都市:人工光が都市部の生育期を延長させているNature Cities