注目の論文
炎症のスイッチを切る仕組み
Nature Immunology
2013年2月18日
An inflammatory turn-off
体が、重要な抗ウイルス因子の1つである1型インターフェロン(IFN-1)の働きを減退させるために利用するタンパク質が明らかになった。このような抗ウイルス因子が過剰に生産されると、乾癬や全身性エリテマトーデスといった自己免疫疾患の発症の引き金になることがあり、それを避けるためには、このようなタンパク質を利用してIFN-1の発現を微調整する必要がある。
Young-Joon Kimたちは、ある種の免疫細胞内に存在するタンパク質OASL1がIFN-1の生産を強く抑制することを明らかにした。そのため、OASL1をもたないマウスは、ある種のウイルス感染に対して並外れた抵抗性を示す。OASL1の作用は、IFN-1生産のスイッチを入れる働きをするタンパク質、IRF7の活性化を阻害するためらしい。OASL1の作用機序は非常に独特で、IRF7の働きを阻害するのではなく、IRF7のmRNAに特有な3次元構造モチーフを特異的に認識して、このmRNAがタンパク質へと翻訳されるのを妨げるのである。
免疫応答を制御する仕組みはほかにも多くの研究で見つかっているが、この重要な抗ウイルス経路に注目した研究は比較的少なく、また、これと同様にmRNAの翻訳を特異的に調節するしくみはほとんど見つかっていない。
doi: 10.1038/ni.2535
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