注目の論文
脳における社会的報酬
Nature Neuroscience
2012年12月24日
Social rewards in the brain
サルが報酬を手に入れたり逸したりしたとき、そのいきさつを把握しているのは前頭前野のニューロンだとの研究がオンライン版に報告される。この発見は、この脳領域が利他的行動を支えている可能性があることを示している。
脳の前部領域は報酬に関係する情報を担っている。Michael Plattら研究者は、サルが報酬を得るか、あるいは他のサルにその報酬を差し出すと、前部帯状回という特定領域が応答することを示している。サルに課題を与え、ジュースを受け取るか、もしくは隣に座っている別のサルにジュースを譲るかという選択をさせた。サルはたいてい、自分でジュースを飲むほうを選んだが、ときどきは利他的に振る舞いほかのサルにジュースを差し出そうとした。脳の細胞のあるものはサルがジュースを飲んだときにのみ応答し、ほかの細胞はジュースを別のサルに差し出したときにのみ応答した。ただし、どのサルがジュースを受け取ったかにかかわらず応答するニューロンがいくつかあり、これらのニューロンが報酬の社会的価値についての動向を把握していると示唆される。
doi: 10.1038/nn.3287
注目の論文
-
3月13日
考古学:西ヨーロッパで発見された最古の顔の一部Nature
-
3月12日
農業:太陽電池式温室で植物の成長が改善するNature Communications
-
3月11日
神経科学:類似した脳波が、現実と想像のナビゲーションを促進するかもしれないNature Human Behaviour
-
3月6日
人類の進化:最古の骨製道具Nature
-
3月6日
がん:アスピリンがマウスにおける転移を抑制する可能性を示すNature
-
2月28日
考古学:ベスビオ火山の火山灰雲が脳をガラスに変えたScientific Reports