注目の論文
【動物行動】ショウジョウバエの幼虫の視覚能力
Nature Communications
2012年10月24日
Animal behaviour: At first sight
ショウジョウバエの幼虫の視覚系は、周囲でくねくね動く幼虫の複雑なイメージを見分けられるという研究結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。ショウジョウバエは、ヒトの数多くの基本的機能のモデルとして広範に用いられているが、これまで、視覚能力は低いと考えられていた。ところが、今回の研究結果によれば、必ずしもそうではないと考えられ、今後は、発達段階にある視覚系の複雑性に焦点を当てた研究にも積極的に利用できる可能性が生まれている。
ショウジョウバエの幼虫には、視細胞の数が少なく、視覚処理能力が低いことが示唆されている。今回、B Condronたちは、幼虫を表面上に固定し、近くで自由に採餌活動をしている幼虫の行動を観察するという単純なアッセイを開発した。そして、このアッセイでは、採餌中の幼虫が、固定されてくねくね動く幼虫に引き寄せられ、それが嗅覚的な手がかりとは無関係なことがわかった。この行動は、コンピューター画面上にくねくね動く幼虫の動画を表示した実験でも再現された。
Condronたちは、ショウジョウバエの幼虫に基本的な視覚系しか備わっていないが、その後の情報処理を比較的大型の中央脳で行うことで、入力の単純性を補っていると結論づけた。また、このように周囲で動く幼虫を認識できることは、幼虫が協力行動を行い、食料源に臨機応変に引き寄せられるようになるために必要だとも考えている。
doi: 10.1038/ncomms2174
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