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加齢によってT細胞免疫応答が衰える

Nature Medicine

2012年10月1日

Aging impairs T cell immune responses

CD4+T細胞による特異的免疫応答は加齢とともに衰えるが、それはT細胞の抗原感受性の微調整に重要な働きをするホスファターゼDUSP6の調節を助けるマイクロRNAの発現が減少するためであることがわかった。この発見から、DUSP6を標的にすれば、高齢者のT細胞免疫応答を改善できる可能性があることが示唆される。加齢とともにT細胞の機能は低下するため、ワクチンによる防御効果も下がって感染を起こしやすくなるが、CD4+T細胞応答が衰えるしくみはわかっていなかった。

Jorgo Goronzyたちは、若者のCD4+T細胞に比べると高齢者のCD4+T細胞は、少量の抗原や親和性の低い抗原に対する応答能力が低いことを明らかにした。このT細胞受容体情報伝達に対する感受性の低さに関係していたのが、miR-181aの発現の低下とその標的の1つであるDUSP6の発現の亢進で、どちらもこれまでに、T細胞受容体からの情報伝達能に関係することが報告されている。Goronzyたちは、DUSP6の発現や機能を阻害すると、高齢者由来のCD4+T細胞の応答が改善されることを発見した。この経路を標的にすれば、高齢者のワクチンに対する反応が良くなる可能性がある。

doi: 10.1038/nm.2963

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