注目の論文
膜融合には棘(STING)がある
Nature Immunology
2012年6月18日
Membrane fusion has a STING
ウイルスが細胞に感染したときに最初に起こるのが膜融合だが、免疫系はどのようにしてこれを感知するのか、そのしくみの手がかりがマウスの研究で明らかになった。
Soren Paludanたちは、ウイルス様粒子(VLP)や、遺伝物質や既知の刺激分子をまったく含まない人為的に作成したリポソームに曝されたマウスの細胞でも、健全な免疫応答が誘発されることを、試験管内、生体内両方で明らかにした。これらのVLPやリポソームは、従来型の病原体認識経路の引き金にはならないが、細胞膜には融合できる。膜融合を認識するためには、STING(普通は、病原体由来のDNAに対する応答にかかわることが多いとされる)という細胞内分子だけが必要らしい。膜融合は単独でも免疫応答を誘発するが、他の免疫刺激シグナルと相乗的にも働くので、病原体認識の一般的で重要な第一段階なのかもしれない。
doi: 10.1038/ni.2350
注目の論文
-
5月29日
社会科学:研究テーマの変更は被引用数の減少につながるかもしれないNature
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月22日
微生物学:効果的な新しい抗マラリア薬は寄生生物を標的とするNature
-
5月21日
医学:非接触型無線モニタリングによる心臓不整脈の検出Nature Communications
-
5月20日
人工知能:大規模な言語モデルは、オンライン討論において人間よりも説得力を持つことができるNature Human Behaviour