注目の論文
毛包幹細胞の正体が明らかに
Nature Genetics
2008年10月13日
Hair follicle stem cells identified
再増殖して、毛包の全種類の細胞を維持する能力をもつマウスの幹細胞集団が発見されたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。今回の研究成果は、毛包幹細胞の正体に関する従来の仮説を覆すものである。
マウスの毛包幹細胞は、毛包の「バルジ(膨らんだ)」領域に存在すると考えられてきており、「標識保持細胞」という非分裂細胞の集団が毛包の成長に重要な貢献をするという考え方が示されていた。
カロリンスカ研究所(スウェーデン)のR Toftgardらは、これまでの研究で、Lgr5タンパク質を発現する小腸と結腸の細胞集団に幹細胞の性質が備わっていることを明らかにしていた。今回の研究では、Lgr5タンパク質を発現する細胞がマウスの毛包に存在し、毛包の成長時に増殖することを報告している。Lgr5タンパク質を発現する単離細胞をヌードマウスの背中に移植する実験では、毛包全体が再生した。
Toftgardらは、組織の損傷があると、標識保持細胞が予備の幹細胞集団としての機能を果たすという見方を示している。これに対して、正常な状態では、Lgr5タンパク質を発現する分裂細胞集団が、成長と死という通常のサイクルを通じて、毛包を維持する。
doi: 10.1038/ng.239
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