注目の論文
口唇裂の遺伝的原因
Nature Genetics
2008年10月6日
The genetic origins of cleft lip
先天異常である口唇裂と強く関連する遺伝的多型が初めて同定され、この成果を報告する論文がNature Genetics(電子版)に掲載される。この知見は、これまで解明されていなかった口唇裂の基盤となる発生経路を浮き彫りにしている。
口唇裂や口蓋裂は、新生児700人当たり約1人の割合で発生し、顔面異常を特徴としている。アイオワ大学(米国アイオワシティー)のJ Murrayらは、以前の研究で、IRF6遺伝子の突然変異が、まれな口唇口蓋裂疾患であるファンデルヴォウデ(Van der Woude)症候群と関連していることを明らかにしたが、裂の原因となる具体的な遺伝的多型については解明されていなかった。今回、Murrayらは、より一般的な非症候群性の口唇裂のリスクと関連する遺伝的多型を同定した。この多型は、マウス胚の顔面領域が融合する部位でIRF6タンパク質の発現を促進し、もう1つの遺伝子産物で顔面の発生に関わるAP-2αによって活性化される。
「調節遺伝子」多型が一般的な多因子疾患の遺伝的基盤において重要な役割を果たすことを示す証拠が増えているが、今回の研究で同定された多型は、初めての明白な実例の1つである。
doi: 10.1038/ng.242
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